まちだをめぐる 〜自分を創ったばしょ・もの・ひと〜 第1輪

開催:2018年6月1日(金)

「まちだをめぐる〜じぶんを創ったばしょ・もの・ひと〜」
第1輪 「アトリエ・アルケミスト 羽田由樹子さん編」

はじめまして!
今年の4月から「まちだはまちだプロジェクト」に加入した塚原です。
よろしくお願いします!

プロジェクトに加入してから、ほんとうにたくさんの人に出会っています。
そして、それぞれの人の関係性が面白く、縁や人の輪の力に驚くことばかりです。
そこから、私自身もっとまちだを知るためにも、「まちだをめぐり、人の輪をたどって行きたい!」と考えました。
そして、まちだの中でめぐっている大切な「ばしょ・もの・ひと」をたどれたら、素敵な輪が見えるのではないかと思い、今回「まちだをめぐる〜じぶんを創ったばしょ・もの・ひと〜」をこちらでご紹介していきたいと思います。



記念すべき第一回目は、私自身を創りあげたとも言える、
玉川学園前にある「絵画造形アトリエ アトリエ・アルケミスト」主宰の羽田由樹子さんにお話を伺いました。

この場所は、私が大学時代にスタッフとして働いていた絵画造形教室です。
空間づくりから、イベントの作り方、スタッフ同士や生徒さんとの良いご縁まで、
たくさんの学びと楽しい思い出がつまった場所です。

「絵画造形アトリエ アトリエ・アルケミスト」主宰の羽田由樹子さん。

「アトリエ・アルケミスト」は、玉川学園前駅から歩いて10分弱、
自然に囲まれた閑静な住宅街の中、穏やかにたたずんでいます。
たくさんの部屋がある集合住宅で、全ての部屋がアトリエとして使われています。
広い庭もあり、スタッフが大事に育てている植物もたくさん生えています。

自然に囲まれた階段を下ると、アルケミストがあります。

アルケミストは開設して今年で18年目。
家でもない、学校でもない、会社でもない場所で、いつもいる人たちに出会って「ホッ」と
できたりする場所があればいいな、という想いが羽田さんにはありました。

玄関には「わくわくしてる?」の文字。ドアを開けると木を基調とした落ち着く空間が。

羽田さんは、作り出された作品は「自分自身そのもの」だと考えています。
だから、作品を制作している時は素の自分で、まるで、はだかをさらけ出している状態のようだ、と。
その空間を共有し合う事で、言葉のコミュニケーションはなくともお互いのことをわかりあえている、そんな「ホッ」とできる場所をつくりあげよう、という想いからアルケミストはできたそうです。



アルケミストは、「なにつくりたい?」という気持ちを大事にしています。
教室内には絵画制作から、立体制作、手工芸など、ないものはないのではないかと思うくらいの材料がたくさんあります。

「画材庫」と呼ばれる材料だけがある一室も。

つくりたいものが決まっている人は、材料を自分で用意し、スタッフがその制作のサポートに入ります。
決まっていない人は、スタッフと話をしながら、何をつくるか決めていきます。
そうやって、じぶんがつくりたいものを作るうちに好きなものや興味があるものに気付いていってほしい、
という羽田さんの思いから「なにつくりたい?」と聞いているそうです。

それぞれが思い思いにつくりたいものを作ります。

紙粘土でキリンを作っている子や、「デッサン部屋」でもくもくとデッサンを描き進めている人も。

制作前には必ず8分間の人物クロッキーが行われ、制作中とは違った空気が流れます。
※クロッキーとは…短時間で対象を素早く描くこと、またその絵を表す言葉。

「玉川学園前の魅力は、牧歌的で人がゆったりしているところ」と羽田さんは語ってくれました。
確かに、アルケミスト自身が醸し出す空気感と、玉川学園前が持つ空気感はとてもマッチしているように思えます。
しかし、最初から玉川学園前で開設しようと考えていたのかと思いきや、
最初は人も多く便利な町田駅前でも探していたそうです。

しかしある日、「ここだ!ここがいい!」と運命を感じた物件がありました。
それが、玉川学園前にある一軒の空き家でした。
この空き家が、今のアルケミストとなりました。

アルケミストという場所をこれまで続けてきて、この場所が生きたがっているとしか思えない出来事がたくさんあったそうです。
羽田さんは、「こういう場所が必要なのではないか?」という最初の疑問から、
今では「こういう場所は必要だったんだ!」という確信に変わりました、と笑顔で話してくれました。

小学校5年生からアルケミストに通っていた男の子が、いまでは大人になり
スタッフの一員として活躍しています。

私自身も、アルケミストにいるとホッとするような、落ち着くような不思議な感覚になります。
それは玉川学園前という自然にかこまれた静かな場所だったり、
羽田さんはじめスタッフの方々がつくりあげる空気がそうさせているのだな、と思います。
インタビューを終え、帰る時も「それじゃまた。お気をつけて!」と、
私がスタッフだった時と変わらない挨拶もまた、いつものホッとするアルケミストを感じられました。

これからも、アルケミストの空気感はずっと変わらずにいるんだろうな、と思いながら、自然豊かな駅前までの道を歩きました。

次回の「まちだをめぐる〜じぶんを創ったばしょ・もの・ひと〜」は、
まちだで出会った「羽田さん自身を創ったばしょ・ひと・もの」をご紹介します。
どんな方にお会いできるんでしょうか、今からわくわくしています!

そして、夏・秋には・・・
「アトリエ・アルケミスト」×「まちだはまちだプロジェクト」のイベントも予定しています!
どちらもお楽しみに!

(文・写真)塚原結友



「絵画造形アトリエ アトリエ・アルケミスト」とは

東京・町田市玉川学園にある絵画造形教室。
今年で開設18年目を迎える。
小学1年生から大人までを対象に、絵画制作から彫刻、手工芸等までの幅広い制作の場を提供している。
「つくることが好き」というつながりが作り出す独特の空気感のなか、
制作者自身の興味関心を中心に対話によって個々のカリキュラムを作っていくスタイルに特色がある。
施設内でのWSを多数行うほか、
公共機関や商業施設などでのまちづくりや制作に関わるWSも積極的に行なっており、
今秋も五感をテーマにしたWSを町田駅近くの商業施設「パリオ」にて開催予定。
2014年より制作のための身体作りとしての食をテーマにした不定期カフェ「小鳥喫茶室」を併設している。

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主宰者情報:
羽田 由樹子
1971年新潟生まれ。
絵画造形アトリエ「アトリエ・アルケミスト」主宰。
美術科教育学会正会員、玉川学園中学年・玉川大学教育学部(通信)講師。