～パリオ応縁プログラム～　
段 博悦 個展 -花の匂い、夢の残像-

世の作家たちが作品を生み出すための原動力とその糧になるものは様々ですが、私は自身の持つ感性を何らかの形状に現したいという感覚が根底にあります。

感性というのは日常に生きる中で出会う人や物から得られる体験によって絶え間なく磨かれるものですが、私は学生の身を脱して社会へ出たことをきっかけに自身の感性に大きな変化を感じました。以前よりも感性が鋭敏になり、あらゆる物事に対して情緒溢れる今、作家として新たなスタートを切りたいと考え、人生初となる個展を開催する運びとなりました。

本個展では絵本の原画をはじめ、絵画や立体作品など、学生時代から現在までの作品を集結させ、展示いたします。理想と現実のギャップに挟まれながらも創作を繰り返してきた自身の姿を俯瞰し、甘くて儚い理想を「花の匂い」、朧げに生きる現実を「夢の残像」と喩え、本個展のテーマに起用しました。

現在に至るまでの段博悦の世界観を作風の変化と共に紹介した展示をご堪能いただければ幸いです。

段 博悦