切り絵作家タナカマコトが切り出す繊細な切り絵の世界
パリコレッ!ギャラリー第32弾は、タナカマコト氏による個展を開催。
はさみやカッターをフリーハンドで駆使し、生み出される繊細でユーモラスな切り絵作品の数々。
今回は、7歳の娘との"木の実拾い"から着想を得た、広い広い森のなかの小さな木の実をかけた動物たちの物語を大型の和紙に切りだします。
また、レシートを素材に、印字された商品名や店名を残しながら、その言葉から連想される神様を切り出した「タダのカミ様」シリーズも並びます。全て町田のお店のレシートで創りあげました。
大きな紙に広がる繊細な空想世界と、切り絵ならではの平面のなかの奥行きと影をご鑑賞ください。
「ひろって、あつめて」
娘は小さい頃から木の実拾いが大好きだった。
公園や神社、遊園地に出掛けても、遊具を横目に木の実拾いに夢中だった。
背中を丸めてせっせと拾う姿を見て、先日テレビで観たドキュメンタリー番組のキタリスを思い出した。
キタリスは冬を乗り越えるため、約3000個の木の実を集めては土の中へ隠す。
その木の実を奪おうとするアカゲラやハリネズミ。
その小動物を狙うタカやイタチ。
そして埋められた木の実も、次の新たな命へと繋がっていく。
広い広い森の中、小さな1粒の木の実をかけた動物たちの争奪戦に私はすっかり魅了された。
そして、自覚もなく森の再生の重要な役割を担っているキタリスの愛くるしさと娘が重なって見えた。
「ママー」
娘の声で我に変えると、いつの間に木の実を拾う子どもたちで公園は溢れていた。
鼻の頭を真っ赤にして、我先にと木の実を集める娘が得意げに笑った。
タナカマコト プロフィール
1982年生まれ。
細かな下書きはせず、フリーハンドで切り絵を制作。
レシートや書籍に印字された言葉を残しながら形を切り抜いたり、写真を切り抜くことで、媒体のもつ意味と切り抜かれた形を関連づける独自のスタイルで活躍する。
主な受賞に、「汐博2010」シオサイト賞。「SICF20」グランプリ(2019年)。
主な個展に、「変身-henshin-」(2018年 サンシャイン展望台 SKY CIRCUS、東京)、「変身-henshin-」 (2016年 GALLARDA GALANTE、京都)、「切りひらひらく」(2020年 spiral showケース、東京)、「タダのカミ様」(2020年 spiral MINA-TO、東京)「ほつれても」(2021年 UNIQLO TOKYO エントランス、東京)
そのほか、ginza.com (GUCCI)制作(2020年)、ニトリTVCM(X’mas篇)制作(2014年)、MAJOLICA MAJORCA10周年記念スペシャルムービー制作(2013年)など、さまざまな場面で活躍の場を拡げている。
開催概要
レイトオープン:6月30日(日)20:00まで
※最終入場30分前まで
<同時開催>
「kittoko×ARTIST」
赤ちゃんの最初の髪、切ってとっとこ!
kittokoは、“赤ちゃんのファーストカットをもっと大切に”という想いから2020年に誕生しました。
飾るだけでなく、遊べて長く保管もできるように天然の無垢材を使用。
木の個性を活かして世界にひとつの表情をしています。
その反面、制作過程で天然素材特有の木目やフシ、色合いによって"kittoko"に不向きな部分が出てきてしまいます。
そんな素材をキャンバスに、アーティストが自由に制作したらどうなるだろう。
kittoko×ARTIST。生まれ変わった"kittoko"をぜひご覧ください。
日 程:6月26日(水)~7月2日(火)
時 間:11:00-17:00
料 金:入場無料
主催:株式会社hatoha
問い合わせ:TEL 042-702-9858
▶︎WEBサイト
<特記事項>
※作品をご購入の方は、会期終了後に着払いで配送いたします。
※kittoko本品の販売もいたします。木目やフシをご自身でお選びいただけます。
パリコレッ!ギャラリーとは
パリコレッ!とは町田パリオが「コレッ!!」とオススメする"まちだのいいこと・いいもの"のこと。町田パリオ3Fの「ギャラリー・パリオ」にて、町田パリオがおすすめするアーティストたちのアートの展示を行います。子どもから大人まで、三世代がいつでも気軽にアートを楽しめる場です。
▶︎次回のパリコレッ!ギャラリーは…
coming soon...!